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Windows 11 の WebDAV

Windows 11 の無料 WebDAV クライアント:2026年9月版の比較

Windows 11 向け WebDAV クライアント7本を、無料枠・ドライブ割り当て・証明書の扱い・サイズ上限で比較。すべて各ベンダー公式サイトで2026年9月に確認しました。

Windows 11 に最初から入っているもの、2023年11月に Microsoft が出した非推奨の告知、そして実際に検討に値する7本を、差が出る4点だけで比較します。

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Windows 11 に最初から入っているもの

Windows 11 には WebDAV クライアントが標準で入っています。Microsoft の手順はこうです。エクスプローラーで このPC を開き、その他 から ネットワーク ドライブのマップドライブ の一覧からドライブ文字を選び、フォルダー 欄にアドレスを入力し、必要なら サインイン時に再接続する にチェックして 完了。ダウンロードは要りません。

それでもこのページが必要なのは、Microsoft の非推奨機能一覧に2行の記載があるからです。告知は 2023年11月、2026年9月に読んだ時点でも残っています。

text

Webclient (WebDAV) Service
The Webclient (WebDAV) service is deprecated.
The Webclient service isn't started by default in Windows.

同じページは意味も定義しています。ここに載った機能は「no longer being actively developed, and might be removed in a future update」です。非推奨は削除ではなく、サービスを開始すれば標準クライアントは今も動きます。ただし新機能はなく、性能改善もなく、上限はこのまま固定されます。別のものを選ぶ理由としては十分で、以下はその話です。いま割り当てが失敗しているなら、直し方は Windows 11 で WebDAV が動かない 側にあります。

候補一覧

以下の数字はすべて各ベンダーの公式サイトで2026年9月に確認したものです。

Windows 11 の WebDAV クライアント(2026年9月確認)
クライアント無料枠ドライブとして割り当て自己署名証明書大きなファイルの上限
Windows 標準同梱可(ドライブ文字)Windows が信頼している必要ありFileSizeLimitInBytes 既定 50 MB
Cyberduck 9.5.4あり(GPL、無期限)不可アプリ内で処理独自の上限なし
WinSCPあり(GPL v3 以降、無期限)不可アプリ内で処理WebDAV では転送再開が非対応
rcloneあり(MIT、無期限)可(WinFsp が必要)rclone が処理独自の上限なし
RaiDriveあり(8 ドライブ、広告付き)可(それが目的)アプリ内で処理記載なし
NetDrive 3.19.14体験版のみ(7日)アプリ内で処理記載なし
Mountain Duck 5体験版のみ可(ドライバー不要)アプリ内で処理独自の上限なし
AnyStorageあり(接続2つ)可(無料版は読み取り専用)アプリ内で処理独自の上限なし

2つの列に注意が必要です。無料枠 はこの表の中で4つの別物を指しています。無期限のオープンソースライセンス、広告付きの上限、期限付き体験版、機能制限付きの枠。そして ドライブとして割り当て はリストを真っ二つに割る行です。見るためのウィンドウと、アプリが保存先にできるボリュームは別物です。

無期限で本当に無料な3本

Cyberduck はドライブ文字が不要なら最初に試す1本です。バージョン 9.5.4 は 2026年8月25日リリース、要件は「Windows 10 (64bit) or later」、ライセンスは GPL、対応プロトコルには WebDAV のほか FTP、SFTP、S3、Backblaze B2、OneDrive、Google Drive、Dropbox が並びます。インストールや更新のあとに寄付の案内が出ますが、最低 10 USD の寄付で得られる登録キーが「registers the installed application to your name and disables the donation prompt」。機能制限は一切ありません。あえてやらないのがマウントで、公式サイトはその用途に Mountain Duck を案内しています。同じ比較を別角度から見たのが Cyberduck の代替 です。

WinSCP は GPL バージョン3以降のフリーソフトで、Windows 専用です。WebDAV は対応する5つのプロトコルの1つで、公式のプロトコル比較表が正直なのが良いところです。WebDAV では転送の再開が非対応、テキスト(ASCII)転送モードも非対応、チェックサム計算も非対応で、転送のキャンセルとサーバー内複製は対応しています。不安定な回線で大きなファイルを扱うなら、この最初の行は UI の好みより重要です。

rclone は MIT ライセンスで、プロトコルの両側をカバーします。rclone mount remote:path X: でドライブ文字が得られますが、ドキュメントは「to run rclone mount on Windows, you will need to download and install WinFsp」と明記しています。つまりファイルシステムドライバーです。自分のマシンなら逆方向のほうが面白く、rclone serve webdav は70以上のバックエンドの前に WebDAV サーバーを立てます(--addr の既定は 127.0.0.1:8080)。ドライバーの是非は rclone mount の代替 で扱っています。

ドライブ文字のために存在する3本

RaiDrive は多くの人が行き着く無料枠です。Synology の公式ドキュメントが Windows ユーザーに勧めていて、「非商用利用で無料のドライブ」と書いているのも理由でしょう。公式の価格ページでは Standard が無料で 8 Drives、広告付き。有料は USD1.84/month から始まり、ページには「pricing shown is per month on a 3-year commitment」と14日間の体験版が明記されています。WebDAV、SFTP、FTP はいずれも対応します。

NetDrive に無料枠は見つかりませんでした。ストアには Personal が $3.9/month(7日間の無料体験付き)、$29.9/year、ライフタイム $69.95、Team が $4.9/month$34.9/year$149.0 と並びます。現行ビルドは Windows 版 3.19.14、macOS 版 3.19.35 で、WebDAV は対応サービスです。無料の選択肢としてではなく、網羅のために挙げています。

Mountain Duck 5 は完成度の高い有料マウントです。OS 側の同期インターフェイス(macOS の File Provider、Windows の Cloud Files)を使い、「no device driver installation or network mount required」と明言しています。WinFsp に対する実質的な優位です。プロトコル対応は Cyberduck 由来でこの中で最も広く、ダウンロードはどちらも体験版、価格はページに出ておらず登録キーを購入する形です。

AnyStorage(自社製なので限界も併記)

このサイトを作っている当人のアプリなので、事実と一緒に限界も書きます。Windows 10 以降で動き、WebDAV は20を超える接続タイプの1つ、そしてバージョンは 0.2.x です。Cyberduck の歴史に比べれば若く、コマンドラインもオフライン同期もありません。

Windows で面白いのは問題の向きを逆にしている点です。非推奨のリダイレクターにサーバーへ到達させるのではなく、アプリ自身がネットワーク越しに WebDAV を話し、Windows には loopback からマウントを渡します。サイドバーの Services、WebDAV タブ、Start、既定アドレスは http://127.0.0.1:3211、HTTP Basic 認証は常に有効でユーザー名 anystorage、パスワードは初回起動時に生成される24文字。アプリで開いている接続はすべてそのルート直下のフォルダーになるので、WebDAV サーバーと S3 バケットと Google ドライブが1つの割り当てドライブに同居します。WinFsp も管理者権限も不要です。

限界もはっきり書きます。無料プランは接続2つまで、そのマウントは読み取り専用なので、アプリが書き込めるドライブ文字は有料機能です。商用利用は無料プランでも可能です。そして最後の割り当てを行うのは Windows なので、リダイレクターの規則はこの loopback マウントにも適用されます。WebClient サービスが動いていること、非 SSL のアドレスに Basic 資格情報を送れるよう BasicAuthLevel が設定されていることが必要です。この形の一般論は クラウドストレージをローカルドライブとしてマウントする にあります。

選び方

  1. 閲覧とアップロード・ダウンロードだけ。 Cyberduck、2ペインが好みなら WinSCP。どちらも無期限に無料で上限なし、Windows にドライブ文字を要求しないのでリダイレクターの制限も無関係です。
  2. アプリがウィンドウではなくパスを要求する。 マウントが必要です。8ドライブと広告が許容できるなら RaiDrive の無料枠、ドライバーなしで払う気があるなら Mountain Duck、WinFsp が平気なら rclone、読み取り専用で足りるなら AnyStorage。
  3. 割り当てたドライブで 50 MB を超えるファイルを扱う。 サードパーティ製クライアントならリダイレクターの FileSizeLimitInBytes を丸ごと回避できます。標準クライアントを使い続けるなら、正確な値と上限は Windows の WebDAV 50 MB 制限 に。
  4. サーバーの証明書が自己署名。 信頼を自分で管理するクライアントが有利です。標準のリダイレクターは Windows の信頼済みストアに証明書を入れないとマウントすらせず、たとえば Synology は HTTPS で「有効な SSL 証明書」を要求します。
  5. 自動化する。 圧倒的に rclone です。スクリプトから駆動する前提で設計された唯一の選択肢で、rclone serve webdav でサーバー側にもなれます。

Windows 11 に本当に無料の WebDAV クライアントはありますか

無期限・上限なしで3本あります。Cyberduck(GPL、寄付案内は登録キーで消せる)、WinSCP(GPL v3 以降)、rclone(MIT)。いずれも期限もアカウント登録もありません。RaiDrive の Standard も無料ですが 8 ドライブ上限で広告付きで、Synology のドキュメントは非商用利用で無料と説明しています。

サードパーティ製クライアントでも Windows 側の設定は必要ですか

そのクライアントが Windows にマウントを頼む場合だけです。Cyberduck、WinSCP、rclone の転送コマンドは HTTP を直接話すので何も要りません。ドライブ文字を作るもの、つまり自分のマシン上の loopback WebDAV サーバーを含めてリダイレクターを通すものは、WebClient サービスが必要です。

無料でドライブ文字にできるのはどれですか

WinFsp を入れた rclone と、8ドライブの範囲内の RaiDrive 無料枠です。AnyStorage の無料プランは読み取り専用でマウントします。Cyberduck と WinSCP は設計上マウントしません。それは Mountain Duck の役割で、こちらは有料製品です。

なぜ Windows の WebDAV は非推奨になったのですか。まだ動きますか

Microsoft は2023年11月に Webclient (WebDAV) Service を非推奨機能一覧に追加しました。書かれているのは2文だけで、サービスが非推奨であることと「isn't started by default in Windows」であることです。同じページの定義では、非推奨の機能はもう積極的に開発されず、将来削除される可能性があります。サービスを開始すれば今も動きます。

NAS や Nextcloud に Windows 11 から繋ぐ場合は

クライアントは同じで、サーバー側の設定が違います。Synology と QNAP にはそれぞれ固有の要件があり NAS の WebDAV 導入 にまとめました。Nextcloud 側の性能の話は Nextcloud の WebDAV が遅い にあります。

次に読むもの

クロスプラットフォームの視点を含むハブは WebDAV クライアントの選び方。クラウドドライブが WebDAV の URL を受け付けなくてここに来たのなら、Google ドライブは WebDAV に対応しているか が直接の答えです。