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AnyStorage
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WebDAV サーバー

クラウドストレージをまとめてローカル WebDAV サーバーに

AnyStorage はポート 3211 でローカル WebDAV サーバーを起動し、接続済みのクラウドストレージをフォルダーとして公開します。ドライバーも管理者権限も不要です。

1 つのローカルエンドポイントに 20 種類のストレージ接続がフォルダーとして並び、Finder でもエクスプローラーでもプレイヤーでも読めます。

ローカル WebDAV サーバー、クラウドストレージ WebDAV 化、S3 WebDAV 公開

ドライバーではなくローカル WebDAV サーバーを選ぶ理由

クラウドストレージをドライブとしてマウントする方法は、たいてい OS 本体に何かをインストールするところから始まります。macOS なら macFUSE、つまりカーネル拡張です。Apple Silicon 機では復旧モードで起動してセキュリティポリシーを下げ、再起動し、次のメジャーアップデートのたびに同じ作業をやり直すことになります。Windows なら WinFsp のインストーラーが管理者権限を求めてきます。危険な手段ではありませんが、長く付き合う保守作業がひとつ増えるのは確かです。

WebDAV サーバーはこの手間をまるごと回避します。中身はただの HTTP サービスで、HTTP なら手元のマシンはもう話せるからです。Finder には 20 年ほど前から WebDAV クライアントが内蔵されていますし、Windows には WebClient リダイレクターがあり、Linux のファイルマネージャーの多くは dav:// のアドレスをそのまま開きます。設定画面に WebDAV の URL 欄を持つアプリも山ほどあります。メディアプレイヤー、バックアップツール、ドキュメント系アプリ、電子書籍リーダーといったあたりです。

Synology や QNAP の WebDAV を Finder につないだ経験があるなら、操作はまったく同じです。違うのは、向こう側にあるのが NAS ではなく S3 や Google ドライブだという点だけ。

サービスの下にある WebDAV タブ

サイドバーの「サービス」に WebDAV タブがあります。中身は開始ボタン、ポートの入力欄、そして認証情報です。開始を押すと http://127.0.0.1:3211 で待ち受けが始まります。

  • ポートは自由に変更できます。1 から 65535 まで有効で、3211 は既定値が必要だったからそうなっているだけです。
  • HTTP Basic 認証は常に有効で、オフにはできません。ユーザー名の既定値は anystorage、パスワードはタブを初めて開いたときに生成される 24 文字のランダム文字列です。どちらも編集でき、再生成ボタンもあります。
  • URL、ユーザー名、パスワードの横にはコピーボタンがあります。この 3 つはこのあと別のアプリに貼り付けることになるからです。
  • 有効のままにしておけば、次回 AnyStorage を起動したときにサーバーも一緒に立ち上がります。

既定でバインドするのは 127.0.0.1 だけです。0.0.0.0 にバインドする LAN アクセスのオプションもありますが、その隣にはアプリが明示的に警告を出します。現行バージョンには TLS がなく、URL は平文の http、Basic 認証なので資格情報はエンコードされているだけで暗号化はされていません。ループバック内なら問題にならない話が、共有 Wi-Fi では現実の問題になります。はっきりした理由と信頼できるネットワークがない限り、localhost のままにしておいてください。

接続がそのままフォルダーになる

WebDAV のルートを開くと、AnyStorage で現在つながっているストレージ接続が、接続名のフォルダーとして一覧で並びます。

ここに出せる接続の種類は 20 あります。ローカルフォルダー、Amazon S3、Cloudflare R2、Backblaze B2、Google ドライブ、Dropbox、OneDrive、Google Cloud Storage、Azure Blob、Alibaba Cloud OSS、Tencent COS、Aliyun Drive、Koofr、pCloud、Seafile、Yandex Disk、Hugging Face、WebDAV(クライアントとして他のサーバーに接続)、FTP、SFTP。本番の S3 バケットと個人の Dropbox が同じマウントの下に隣り合って並ぶ。この一点で仕事の進め方が変わる人は少なくないはずです。

先に知っておくと混乱しない仕様がひとつ。接続は遅延して張られます。アプリを再起動したあと、その接続を AnyStorage 上で一度開くまでは WebDAV のルートに現れません。逆に、サーバーの稼働中に新しく作った接続はすぐ現れ、再起動は要りません。

つなぐ側の手順

AnyStorage にワンクリックでマウントするボタンはありません。URL を表示してコピーボタンを添えるところまでが役目で、マウント作業は使う側のツールが行います。

macOS

Finder の「移動」から「サーバへ接続」(Cmd+K)を開き、http://127.0.0.1:3211 を貼り付けます。「登録ユーザ」を選んで、アプリに表示されているユーザー名とパスワードを入力すれば完了です。

Windows

エクスプローラーの「PC」から「ネットワーク ドライブの割り当て」、URL は同じものです。ここはサーバー側より Windows のクライアント側のほうが厄介で、2026 年時点で WebClient サービスは非推奨扱いのうえ、たいてい停止しています。まず services.msc で開始してください。平文 http での Basic 認証も既定では拒否されるため、レジストリの HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\WebClient\Parameters にある BasicAuthLevel を 2 にしてサービスを再起動します。どちらかを飛ばすと「入力されたフォルダーは有効ではないようです」、システム エラー 67、あるいは 0x80070043 が返ってきます。ファイルサイズの上限もあります。FileSizeLimitInBytes の既定値は 50,000,000 バイト、つまり 50 GB ではなく 50 MB で、超えるコピーは 0x800700DF で失敗します。サードパーティ製の WebDAV クライアントにこの制限はなく、AnyStorage 自身の転送画面を使う場合も同様です。

WebDAV を話すその他のアプリ

Infuse や VLC のようなメディアプレイヤー、バックアップツール、ドキュメント系アプリ、Linux のファイルマネージャー。読み取りは HTTP Range 対応のストリーミングなので、動画のシークが実用になります。バケット内のファイルの 40 分地点へ飛ぶのに、前半 40 分をダウンロードする必要はありません。書き込みもストリーミングで、大きなアップロードをメモリ上に丸ごと抱えることはしません。

制限は隠さず書きます

  • 無料版の WebDAV サーバーは読み取り専用です。閲覧、ストリーミング、ファイルの取り出しは動きますが、書き戻しには Pro ライセンスと「フルコントロール」モードが必要です。Pro でも意図的に読み取り専用にできます。本番データにプレイヤーを向けるときは、そのほうが安全です。
  • 現行バージョンに TLS はありません。localhost が既定なのはこれが理由です。
  • 本当の意味でのファイルロックはありません。複数のマシンから同じファイルを同時に編集しても保護されないので、チーム共同編集の基盤として扱わないでください。
  • 最上位の接続フォルダーは WebDAV 経由で名前変更も削除もできません。あれはディレクトリではなく接続だからです。
  • 異なる接続フォルダー間でファイルを直接移動やコピーすることもできません。いったんローカルに落としてから上げ直すか、アプリの転送画面を使ってください。そちらは経路をきちんと処理します。

この機能の立ち位置

AnyStorage はまずストレージブラウザーです。タブ、転送、検索、プレビューがあり、作業の大半はそのウィンドウで完結します。WebDAV サーバーが受け持つのは残りの場面、つまりファイルを Finder に置きたいとき、ドライブレターとして見せたいとき、URL からしか読めないアプリに渡したいときです。エンドポイントは 1 つ、カーネル拡張なし、管理者権限のダイアログなし、OS のアップデート後に入れ直すものもありません。